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減災とは?防災との違いや具体的な取り組みを個人・法人別に防災士が解説

地震や台風、豪雨、大雪など多角的な災害が発生する国土である日本では、いつ起きるかわからない災害に対して防災だけでなく、減災の取り組みも多く行われています。

「減災という言葉を良く聞くけど防災と何が違う?」「具体的に減災とは何をするべき?」といった疑問を持つ個人の方または企業の防災担当者の方のために、本記事では減災の概要や重要性、防災との違いを解説します。減災の取り組みとしてできることの事例を個人別、法人別にも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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減災に関する基本情報

減災の概要や重要性、防災との違いをまず解説します。

減災とは

減災とは、内閣府防災担当によれば「災害による被害をできるだけ小さくする取り組み」と定義されています。

減災の重要性

減災という概念が生まれ、注目されるようになったのは1995年(平成7年)1月17日に発生した「阪神・淡路大震災(平成7年(1995年)兵庫県南部地震)」と言われています。同震災では、以下のような当時で戦後最悪の甚大な被害を出しました。

  • 人的被害死者6,434名、行方不明者3名、負傷者43,792名
  • 施設関係等被害住家全壊が約10万5,000棟、半壊が約14万4,000棟
  • 交通関係については、港湾関係で埠頭の沈下等、鉄道関係で山陽新幹線の高架橋等の倒壊・落橋による不通を含むJR西日本等合計13社において不通、道路関係で地震発生直後、高速自動車国道、阪神高速道路等の27路線36区間について通行止めになるなどの被害
  • ライフライン関係では、水道で約123万戸の断水、下水道で8処理場の処理能力に影響が生じ、工業用水道で最大時で289社の受水企業の断水、地震直後の約260万戸の停電、都市ガスは大阪ガス(株)管内で約86万戸の供給停止、加入電話は、交換設備の障害により約29万回線、家屋の倒壊、ケーブルの焼失等によって約19万3,000件の障害が発生するなどの被害
  • 公共土木施設関係では、直轄管理河川で4河川の堤防や護岸等に32箇所の被害、府県・市町村管理河川で堤防の沈下、亀裂等の被害、西宮市の仁川百合野町において地すべりにより34名の犠牲者が生じるなどの被害
  • 農林水産業関係の被害については、農地、ため池等の農業用施設など各施設において甚大な被害が発生、被害総額は900億円程度

参考:内閣府_阪神・淡路大震災教訓情報資料集阪神・淡路大震災の概要

住居をはじめ鉄道や高速道路などのインフラ、水道や電気、ガスといったライフラインも壊滅的なダメージを受け、「大規模な災害自体を完全に防ぐことは難しい」「被害を出さないための対策ではなく、災害が起きることを前提に被害を最小限に抑えるための対策が求められる」といった考えのもと、従来の防災とともに減災という考え方が重要視されるようになりました。

減災と防災の違い

減災が災害による被害が発生することを前提に、被害を最小限にする取り組みであるのに対して、防災は災害による被害を未然に防ごうとする取り組みのことです。

たとえば地震災害への対策として、建物の耐震補強や免震構造は防災、在宅避難のための備蓄は減災の取り組みに該当します。大雨災害の場合は、堤防や防潮堤の設置が防災、避難場所やハザードマップの確認が減災にあたります。

なお、防災、減災と似ている言葉に「縮災」があります。縮災とは災害発生から社会機能が回復するまでの時間と被害をできるだけ小さくするために、早期復旧を目的とした取り組みのことです。縮災には、減災の概念も含まれています。

防災の取り組みはすでに行っているものの「減災の取り組みはどんなことをしていいかわからない」という方も多いかもしれません。次に、減災の具体的な取り組みを個人・企業別に解説します。

個人でできる減災への取り組み

個人でできる減災への取り組み

個人や家庭でできる減災への取り組みを順に解説します。

自助と共助の取り組みを意識しておく

災害発生時、被害をできるだけ少なくするための支援や協力は、以下の3種類があります。

  • 自助:自分自身や家族の命・財産を守るために自分で行う取り組み
  • 共助:隣近所や地域と連携、助け合うこと
  • 公助:自治体、消防、警察、自衛隊などの公的機関が行う支援

災害時、公的な支援である公助が到着するまでに長い時間がかかることもあります。公助を待つ前に、自助により自分の身を守る、次に近くの人と助け合う、という心構えをしておくことが重要です。

日頃から近隣の人とコミュニケーションを取り、災害時に助け合える人や助けが必要な高齢者や障害者の人がいないかを確認しておくと、災害発生時に共助がしやすくなります。

ハザードマップを確認しておく

ハザードマップには、被災想定区域、避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置が記載されています。災害発生時に適切な場所へ避難するために、日頃からハザードマップを確認しておきましょう。

防災グッズや備蓄をしておく

大規模な災害発生後、ライフラインや物流が止まる可能性が高いです。災害後自宅避難を続けるうえで必要となる、最低3日間、できれば1週間分の備蓄をしておきましょう。

防災グッズのほか水や食料を備蓄している人も多いと思いますが、意外と忘れがちなのがトイレです。水道が止まれば当然トイレも使えません。家族分の非常用(災害用)トイレも忘れずに備蓄しておきましょう。

自宅の強度を確認しておく

自宅建物の耐震性能をあらかじめ確認しておきましょう。特に耐震基準法が改正された1981年以前に建てられた建物は、今の耐震基準を満たしていない可能性があります。耐震診断を受けることで建物がどの程度地震に耐えられるかを把握できます。

家具の配置変更や固定をする

地震の揺れにより重量のある家電や高い家具が倒れてくると、怪我などの二次被害につながります。寝室や生活スペースに危険な家具を置かない、または壁や床に固定しておきましょう。窓や扉のガラスに飛散防止フィルムを貼るのもおすすめです。

家族と災害発生時の行動を共有しておく

仕事や学校など、家族がバラバラになっている時間に大規模災害が発生すると、連絡が取れなくなることがあります。以下の災害発生時の行動をあらかじめ家族で話し合い、共有しておきましょう。

  • 連絡先
  • 連絡手段
  • 避難時の合流場所

企業・法人・団体組織などでできる減災への取り組み

企業・法人・団体組織が行う減災への取り組みも、概ね個人での取り組みと同じです。

  • 自助と共助を意識し、近隣住民や企業、団体、取引先と連携を取っておく
  • ハザードマップの確認
  • 災害備蓄(避難者受け入れをする場合にはその分も)
  • オフィスや施設の建物の強度確認
  • 家具や家電の固定や変更
  • 従業員や取引先などのステークホルダーとの災害時行動計画の共有

上記に加えて、BCPを策定することも減災の取り組みとして有効です。BCPとは事業継続計画のことで、災害や非常時も事業の継続またはできるだけ早い復旧を目指すためにあらかじめ策定しておく計画のことです。

まとめ

減災の概要や重要性、防災との違い、個人と企業・法人でできる取り組みを解説しました。災害による被害をすべて防ぐことはできません。現在行っている防災の取り組みに加えて、減災の取り組みを取り入れることで、より被害を最小限に抑えられます。

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